会話力強化

コミュニケーション能力大事

「コミュニケーション能力が大事」ということは、よく耳にしますし皆様も普段の生活から日々感じているのではないでしょうか?経団連の新卒採用に関する調査でも、「選考時に重視する要素」として16年連続「コミュニケーション能力」がダントツの1位でした。

出典元:一般社団法人 日本経済団体連合会 『2018年度 新卒採用に関するアンケート調査結果』

「コミュニケーション能力が大事」とされるのは、同時にその能力がなくて困る場面や人が非常に多いことを意味しています。私の前職は「コミュニケーションのお手伝いをする」という語学サービスの会社でしたが、とはいえ常時全社員がメール、電話、メモ、会話、営業等のありとあらゆる社内・社外コミュニケーションで課題を抱えていました。

新卒採用で「コミュニケーション能力」が求められる理由としてもう一つ考えられることは、入社後に育成しやすい技術等の専門性に比べ、コミュニケーション能力は「先天性」が比較的強く、育成しにくいということが考えられます。

円滑で、豊かで、楽しいコミュニケーションをとることが、人と人とが良好な関係を築くことにつながります。それは全世界共通です。コミュニケーションには様々なツール(道具・方法)がありますが、「英語」などの「言語」もその一つであると言えるでしょう。
言語を使ったコミュニケーションにおいては、4つの技能「聞く」「話す」「読む」「書く」が必要とされています。今回は、その中でも「聞く」「話す」という技能を使う、そう「会話」に焦点をあててみたいと思います。

会話力とは何か

例え学生時代に英語が得意だったとしても、「英語で会話はできない」という日本人・大人、どれぐらいいるでしょうか。

そもそも何言ってるかわからない…という人も多いと思いますが、何言っているかわかって、”Ah, yes.”と一言答えることはできるけどそこで終了!という人がほとんどではないでしょうか?これはもちろん「会話」とは言えませんよね?

「会話」とは、双方向で行う言葉のキャッチボールであり、「良い会話」とは、そのキャッチボールがスムーズであり、意思の疎通がうまくいき、快感で、どんどんと話が膨らみ、続くものといえます。「投げる=話す」と「取る=聞く」がどちらも上手であることが、「良い会話」には大切なのです。

日本の教育は、英語に限らずほとんどの教科が未だに講義式で「受け身」になりがちです。よって、「聞く力が優れている」と思われがちですが、全くそんなことありません。むしろ、「聞く」ということに関しては、「静かに、動かず、話している人を見よ」ぐらいしか指導されないため「静かならいい」「動かなければいい」「見てればいい」と思い、「実は何も考えていない」「右から左に流れている」…という人がほとんどです。その証拠に、「質問がある人?」「これについてどう思う?」と聞かれて手を挙げる人なんてほぼいません。そして、「聞いてるふり」ばかりしているので、自分の意見を述べる…というか考える機会も少なく、話すのも苦手…になりがちです。

お家で家族と、あるいは休み時間や放課後友だちと、たくさん会話をする機会のある子は、問題ないかもしれません。しかし、学校が終わったら習い事!家でも動画を見たりゲームをしたり…で、家族で会話する時間なんてほとんどない!という子が多いのではないでしょうか。

そう、日本人は、「英語」以前にそもそも「会話」が苦手になりがちなのです!!Oh, no!!

会話力をどう鍛える?

English Treeでは、四六時中私が子どもたち一人ひとりとできる限り密な会話をしていますが、全体としての会話力強化はActive Circle(円になって英語表現や約束事などを確認する時間)で行っています

★質問の練習機会を増やす

English Treeで、子どもたち一人ひとりが行うRachelとの会話はまだまだRachelからの一方的な質問が多いです。子どもたちのことを知りたいRachelは、”What did you do today?(今日何した?)” “Do you have any homework?(宿題はあるの?)” “Are you tired?(お腹すいた?)” “Do you like ice-cream? What ice-cream do you like?(アイスクリーム好き?何の味が好き?)”などなど、いつもついつい質問攻めにしてしまいます(笑)質問攻めに慣れてくると、何となく聞かれていることを理解し答えられるようになってきます。次のステップとして、”How about you?(あなたはどう?)”と聞き返すよう促します。それでも、そうした会話ではなかなか「子どもの方から自発的に質問をする」というところまでは至りません。そこで、Active Circleでは「質問する側」の設定を作り、質問をする練習をしています

★繰り返すこと、そして続けること

質問はいつも、”How are you?(元気ですか?)”にはじまり、”What time is it now?(今何時ですか?)” “What day is it today?(今日は何曜日ですか?)”など、日々変化するものをいくつか。これを「飽きない工夫」をしながら、もう2年近くひたすら繰り返し、続けています。瞬間的に聞いたり答えたりすることができるレベルまで、とにかく継続です。

★飽きない工夫

続けるため、そしてさらに上を目指すためには、やはり「工夫」が必要です。この「工夫のうまさ」が私の強みであり、大手の英会話教室にはない良さだと自負しております(笑)
子どもたち一人ひとりの、そして全体の「成長」「気分」「流行り」「関係性」などを見て、感じて、やり方を変化させていくのです。例えば…
1(指導者)対 全員:まずはどんな質問があるか、どう答えるのか覚えてもらうためにも、私が全体に質問し、分かる子に答えてもらう方式で行いました。
ボール転がし質問リレー:ボールを転がす相手に質問をし、質問された人は答えてボールを別の人に転がし、次の質問をします。
自由質問追加:同じ質問だけでは飽きるので、みんなに聞きたいことを1つ加えられるようにしました。
リーダー交代制:質問をする人と答える人、できる質問とできない質問が分かれてきたので、1(リーダー)が一人ひとりに様々な質問をしていくようにしました。
リーダーになった回数カウント:リーダーになる人が決まってきて、消極的な人はリーダーになりたがらない傾向が出てきたため、リーダーをした回数を数え、意欲を高めました。

子どもの成長

まだまだこれからも工夫を加え、どんどん成長を促していきますが、現段階で得られている効果として、多くの子が自信をもって質問したり質問に答えたりすることができるようになってきたことはもちろん、「リーダー制」を取り入れたことで、リーダーになった子の自信と主体性が向上してきました。特にリーダーを多く務めている3人の例を紹介します!

例1
恥ずかしがりやのSam(小1)は、参加人数が少ない時を狙って数回リーダーを体験。はじめはRachelに背中を押されてしぶしぶリーダーになっていましたが、3回目くらいからは自分で手を挙げてリーダーになりました。進行がスムーズになり、自信がついてきたようなので、少し人数の多い日にも挑戦してもらいたいなと思っています♪
例2
同じく、あまり注目されることを好まないCanna(小3)も数回やって慣れてきました。この日は、Active Circleが始まる前から「今日リーダーする」と心に決めており、みんなにこれが聞きたいのだと質問も用意。私に”What’s 将来の夢は何?in English?”と聞きに来ていました。成長を感じ、とっても嬉しくなりました♪
例3
元々英語が得意なYuu(小3)は、司会の紙すらもう見なくていいと言い、どんどんみんなに質問をしていきました。途中、友だちの返答に対し、瞬時に”Oh! Me too!(僕も!)”や”Eh, why??(えーなんで?)”と相槌をうっており驚きました!きちんと相手の返答に興味をもち、反応し、しっかり「会話」が成り立ち始めていました。

お家でもできること

コミュニケーション能力は「先天性」が強く、育成しにくいと先に書きましたが、それでも改善・工夫・練習を繰り返し、磨くことは可能だと信じています。「英語」というツールを使って、English Treeという環境を通して、子どもたちの会話力も、私の会話力も磨いていきます!が、ご家庭でもぜひ試してみてください♪(もうされていたらごめんなさい!)

より良い会話の習得には、より良い会話をより多く経験することが大切です。まずは、なにより「会話の時間を設けること」でしょう。お家でも、スマホを置いて、ゲーム機を置いて、テレビを消して、一緒に歩くでも、一緒にお風呂に入るでも、一緒にご飯を食べるでもいいので、少しの間、まずは子どもの言葉に耳を傾けてみましょう!「質問をすること」で、相手には「興味」を示すことができます。返答に対し「相槌を打つこと」で、「興味」と「受容」を示すことができます。たとえ反対意見があっても、否定したくても、一旦受け入れ「共感すること」で、相手は心を開きやすくなります会話も弾みやすくなります。そして、逆にお子さんがあなたの話を聞いてくれて、「ママ大変だったね」「パパ、お疲れ!」と言ってくれた日には、素直に「聞いてくれて嬉しかった。ありがとう!」と伝えましょう(笑)そうした経験を繰り返すことで、「会話力の基礎」が身についていくと信じています。

教育大学時代に、「話し上手な先生は聞き上手な子どもを育て、聞き上手な先生は話し上手な子どもを育てる」と教えてくださった先生がいました。プロのピッチャーやキャッチャーを育てたいなら、それがいいかもしれません。でも、「会話力のある子」を育てたいなら、楽しくキャッチボールを続けること、そしていろんな人とキャッチボールする機会を与えること(=English Treeに通わせること)が一番だと思います(笑)宣伝で終わりがちなRachel…

今日も子どもたちとたくさん会話、楽しみます!(^-^)♪