泣いていい。怒っていい。

できたら、みんなに笑顔で帰ってほしいと、いつも思っています。「あぁ~今日も楽しかったぁ~!早くまた行きたい!」と思ってくれていたらいいなと、そんな場所にしたいなと、いつも思っています。

でも、実際にはそうはいきません。晴れの日もあれば、雨の日もある…。

昨日は私も思わず日本語で大声をあげてしまいました…(汗)

大声はいつもあげてますが(笑)全員の前で日本語を使う…ということはなく(そこは日本で英語を教えているどんなネイティブにも負けない!というプライドを持ってやっているので)、私の口から日本語が出たときには全員がかチーンと固まります。「これはまずい!」という雰囲気になります。

全員で輪になり、何をして遊ぶか話し合っている時のことでした。話し合いを進めるゲームリーダーになりたいという子が3人おり、じゃんけんで勝った子が進行していたのですが、その子と仲の良い数名が、自分たちのしたい遊びがリストにのるようコソコソと話していました。リーダーになれなかった子は、それだけで不服なのに、意見を出そうと手を挙げているのも無視され、数名で何かコソコソ話している…というのが許せなくなったらしく、怒りと悔しさで泣きだしました。その子はEnglish Treeに入ってまだ間もなく、なかなか自分を出せずにいたので、溜まっていたものもあったのでしょう。私は別の子への対応をしており、しっかりと事情が把握できていなかったので、

What’s wrong??(何が起きたの)

と尋ねると、泣いていたその子が泣きながら理由を話してくれました。

聞いていたリーダーは、いら立ちます。

We are making circle to talk together so let’s talk all together. Not with just few friends there.(話し合いのために輪になっているのだから、数名で話さず、みんなで話そう)

とリーダーと周りの子に伝えると、我慢のできなくなったリーダーは険しい表情で

「なら、早く言えや。くそが。」

と、ナイフのような言葉を涙の子に投げつけました。

私は、リーダーを務めるその子の、特に新しく入った子へのあたりのきつさが気になっていたこともあり、誰が反応するよりも先にそのナイフを床にたたきつけ、

「『早く言えや。くそが。』じゃないでしょう!」と大きな声で怒鳴ってしまいました。

「全体の意見を聞き話し合いを進めるリーダーがそれをせず、間違っていると指摘した子に対しそんな言葉を投げつけて、これからどうやって話し合い、遊びを決めて、みんなで楽しく遊ぶのか!『なら、早く言えや。くそが。』と言われて、自分は意見を出す気になるか!」…と。

リーダーも怒った表情のまま涙を浮かべます。

声を落ち着け、「私も間違うことはある。誰でもある。人に嫌なことを言ってしまったりしてしまったりすることもある。今だって、みんなで話し合うときにきちんと参加できていなかった。大きな声で怒鳴ってしまった。それは良くなかったと思う。ごめんなさい。どうしたらいいかな。何が問題だったのかな。」と尋ねました。

それぞれが、問題だと思ったことを伝えました。嫌だと感じたことを涙ながらに語りました。

リーダーをやめろと言われた気がした。リーダーだって意見を言いたい。

リーダーが自分のしたい遊びを発表できない(English Treeのルール)から、コソコソずるするような感じになってしまった。

でもリーダーが自分のしたい遊びばっかり発表すると、他の人が言えなくなるんじゃ。

他の人がリーダーのしたい遊びを言うかもしれないじゃない?

じゃ、リーダーは他の人の意見を聞いて、それでも自分のしたい遊びが出なかったら、最後に発表するようにしたら?

などなど、意見が出ました。もう私も日本語で話す必要なし。

So, what do you think? Is that okay? I think that’s a good idea.(私はいいアイディアだと思うけど、みんなはどう?)

Good idea.(いいと思う)

さっきまで泣いていた子たちも、けろりと元気に。

多数決で Tag on the Mat(マットの上で鬼ごっこ)をすることになり、数分前まで大嵐が晴天に!

やっぱり笑顔がいい!楽しい方がいい!

でも、そのためには一人ひとりがしっかりと「自分」でいられること。「自分」を表現できること。みんな違うから衝突もする。でも嫌な気持ちを内にためて無理して笑わず、ちゃんと出す。泣いていい。怒っていい。そこからどうするかが大事。と、改めて感じたのでした。でも、もう日本語は使わない!!!!!!猛省…